漫画 『総員玉砕せよ!』 水木しげる著を読んで。

さて、米長邦雄氏の運に関する考察についてあれこれ考えていましたが、はちわん88はもうちょっと緩さが必要なのではないかと考えました。

緩い人、と言ってすぐに出てきたのが、水木しげるであり、氏の漫画を読んで緩い人になろうと思い買った漫画が『総員玉砕せよ!』と『のんのんばあとオレ』の2冊です。

 

 

今回は『総員玉砕せよ!』の感想なのですが、水木しげるの漫画は大人向けだよなというのが第一印象です。

 

水木しげる世代の漫画家といえばまず頭に浮かぶのが巨匠手塚治虫でありますが、手塚治虫の漫画は老若男女あらゆる世代が読んで、面白いと感じるものでした。

水木しげると言えば、テレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』はよく見ていましたが、漫画を読んでもイマイチな感想だった記憶があります。

 

はちわん88が思う水木しげるの漫画とは、酸いも甘いも嚙み分けた大人が読んで、胸にジーンとくる極上のエンターテインメントなのではないかということです。

 

前置きが長くなってしまいましたが、

『総員玉砕せよ!』の感想です。

舞台は昭和18年末ニューブリテン島です。

日本兵の置かれている状況は過酷です。

ジャングルの中で、風呂もまともにはいれない、食べるものもろくになく、重労働が課され、事故で日常的に人が死んでいきます。

上官はこれといった理由もなく部下を殴ります。ただただ、自分が上官だという理由だけで部下を殴ります。

将校、下士官、馬、兵隊と言われる順位で兵隊というのは人間ではなく馬以下の生物と思われていたのでとにかく扱いがひどいです。

本来一番大切にしなければいけないはずの人の命を一番粗末に扱っている時点で日本軍が勝つはずはないよなと、暗澹たる気持ちになりました。

 

そうは言っても敵がいない状態というのはまだましです。

ある日、敵が上陸してきて一番大事な水源地が奪われしまします。

部下の反対を押し切って大隊長は玉砕することを決めてしまいます。

そして、玉砕は敢行されたのですが、生き残りが出てしまいます。

 

普通の感覚であれば玉砕をして生き残った人間に対して「よく生き残った。よく頑張った。」と言ってやるのが人としての在り方だと思うのですが、軍の決定は再度玉砕せよ、です。

 

日本軍のいかれたルールには呆れるしかないのですが、当時は本当にそんな事がまかり通っていたようです。

 

そして、再び、兵隊の気持ちを玉砕に向けさせ、玉砕が行われます。

 

最初の玉砕も二度目の玉砕も行う必要のないものでした。

大隊長の先走りであったり、玉砕の生き残りは敵前逃亡だから死刑と言われたり、とにかく理不尽な事だらけです。

 

この漫画のような実際の軍隊の様子が詳しく描かれているのは水木しげるさんだからこそなしえた事だと思います。

 

水木さん漫画を描いてくださってありがとうございます、と心から思いました。

以上です。

本日もお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

総員玉砕せよ! (講談社文庫)